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SR-114 シックハルト ソナタ集 第9巻

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★冊子・・・A4サイズ(スコア32ページ、別冊リコーダーパート譜16ページ、別冊バスパート譜16ページ)

 ★CD・・・2枚
  収録内容=各種伴奏、リコーダー演奏例
   ※チェンバロ伴奏演奏はすべて石田誠司(デジタルサンプリング音源使用)

 ★有償サポート・・・バロックピッチ伴奏CD(2枚組 1200円+税)
   ※製品に申し込み用紙が付属しています。
   
   
   
  【ソナタ ハ長調】
  
★解題★

 J.C.シックハルトの「アルトリコーダーと通奏低音のためのソナタ 作品1」(全7曲)は、1710年ごろまたはそれより早くに、アムステルダムのLogerから出版されました。デビュー作にふさわしい力のこもった作品集です。


★解説★

 このあと膨大なリコーダー用作品を書き残すこととなるシックハルトの、記念すべき最初の出版作品の冒頭を飾るこのソナタは、8楽章から成っています。ソナタ作品では、6~7楽章構成でいくつもの舞曲を含む組曲ふうの作り方を好んだシックハルトでしたが、その嗜好は、このように最初から鮮明でした。

 第1楽章はプレリュード(前奏曲)と題され、アレグロ(快活に)と指定された4分の4拍子の楽曲です。速い16分音符の動きを中心として一気に駆け抜ける爽快な楽曲で、シックハルトの個性はすでに鮮やかに示されています。これから始まる楽しい万華鏡のような音楽の幕開け。

 第2楽章は4分の4拍子のアルマンドで、再びアレグロと指定されています。シックハルトのアルマンドは快適な速度感でひたひたとリズミカルに進むのが特徴です。気持ちのいい音の運び。

 第3楽章は4分の3拍子のコレンテ(クーラント)で、またもアレグロです。シックハルトのコレンテは付点の跳ねるリズムを基調とするのが常で、規模や内容の点で楽曲全体の中核を成していることが珍しくないのですが、ここでも、このソナタにしっかりした風格を与える重りのような役割をしています。

 第4楽章は、4分の4拍子の、初めての無題の楽章で、これまたアレグロです。16分音符の速い動き、そして一部には32分音符の速い音階的な句も用いたトッカータふうの音楽で、快速楽章での演奏技巧のかっこよさを重視したシックハルトの面目が躍如としています。

 第5楽章は、ようやくアダージョ(ゆっくりと)、2分の3拍子です。付点のリズムを基調としてくつろいだ感じで歌います。

 第6楽章は、アレグロ、4分の4拍子で、フーガと題されています。主題の提示・応答としては、最初に低音から始まる1回(同じ調でリコーダーが応答)、そして後半にリコーダーが、自分の提示に自分で(属調で)応答するような一節があります。

 第7楽章はアリアと題され、4分の4拍子で、ウン・ポコ・プレスト(やや速く)と指定されています。民謡風と言えばいいのか、無邪気な感じのテーマを扱うにぎやかにして愉快な、ユーモラスな楽曲です。本作中、もっともユニークな楽章。

 第8楽章は8分の6拍子のジークで、アレグロと指定されています。まさに快活さの見本のような本作の最後をさっそうと締めくくる、よく書けたジークなのですが、意外に短調の部分が多くて痛切なしらべも聴かれ、それが曲に奥行きを与えているようです。


  【ソナタ ニ短調】
  
★解題★

 J.C.シックハルトの「アルトリコーダーと通奏低音のためのソナタ 作品1」(全7曲)は、1710年ごろまたはそれより早くに、アムステルダムのLogerから出版されました。デビュー作にふさわしい力のこもった作品集です。


★解説★

 6つの楽章から成り、小粒な作かと思っていると、奥の楽章はかなりズッシリと重量感があり、演奏しがいのある作品になっています。

 第1楽章はアダージョ(ゆっくりと)、4分の4拍子です。付点の跳ねるリズムをまじえて進み、ちょっと足取りの重いマーチのようなおもむきがあります。フリギア終止で第2楽章を呼びます。

 第2楽章はグラーヴェ(重々しく)、2分の3拍子。第1楽章でリコーダーは「高いド#」で終わるのですが、この楽章は半音下の「高いド」で始まります。調性も今ひとつはっきりしたい感じで、ためらいながら進んでいくような独特な開始から、少しずつ音域を下りながら歌い継ぎ、最後は再びフリギア終止。

 第3楽章はアレグロ(快活に)と指定された4分の4拍子。シックハルトが好んだ快速感のあるアルマンドで、技巧的な華やかさも含んでいます。また、前半最後のフレーズ、後半最後のフレーズには「おまけ」の1小節が追加してあるのが印象に残ります。

 第4楽章は2分の3拍子で、ウン・ポコ・プレスト(やや速く)と指定されてはいますが、そう速いテンポの曲ではないでしょう。「あまりゆったり演奏するのではない」ことを示しているだけかと思います。付点の跳ねるリズムを基調に音楽を進めます。

 第5楽章はヴィヴァーチェ(生き生きと)、4分の3拍子です。100小節を超える長大な楽章で、冒頭に示されるテーマと、2声部を一人で奏するジグザグ音型のモチーフをおもな素材として、ときどき景色を変えながら音楽が進みます。

 第6楽章は8分の6拍子のジークで、アレグロと指定されています。歯切れ良く弾むかと思うと少し歌に傾き、突然16分音符も登場して小気味良い快速感が味わえたりと、演奏する楽しさにあふれています。後半にはシックハルトらしい少し奇抜なモチーフも登場します。本作の白眉。


  【ソナタ ホ短調】

★解題★

 J.C.シックハルトの「アルトリコーダーと通奏低音のためのソナタ 作品1」(全7曲)は、1710年ごろまたはそれより早くに、アムステルダムのLogerから出版されました。デビュー作にふさわしい力のこもった作品集です。


★解説★

 5つの楽章から成っています。なかなかの力作であるだけでなく、独創的なアイディアがいくつも盛り込まれた意欲的な傑作です。

 第1楽章はアダージョ(ゆっくりと)、4分の4拍子。付点リズムのモチーフから始まって、よく動きまわりながら音楽を進めます。最後に「ナポリの6」の和音を用いた洒落たおまけつき。

 第2楽章はアレグロ(快活に)、4分の4拍子です。ホ短調の力強いテーマで始まりますが、やがて一度ト長調を通ったあとロ短調に入る場面が前半にも後半にもあるのですが、この転調が独特な強引さを感じさせるもので、面白い効果を上げています。

 第3楽章はアレグロと指定されたコレンテで、4分の3拍子です。シックハルトが生涯大好きだった、付点リズムを基調とするコレンテ・・・なのですが、後半に入るとちょっと様子が変わってきて、しばらく均分リズムの分散和音的な音型で音楽が進められようになり、さらには16分音符の分散和音の音楽になるという、驚くべき変化をみせます。

 第4楽章は再びアダージョ・4分の4拍子です。最初、イ短調の和音から始まる指ならしのような軽い序奏のような部分がありますが、すぐにト長調の音楽になります。途中はコレルリのヘ長調ソナタに対するオマージュのような一節を経たあと、やや強引な感じの転調を繰り返して、ロ短調の属和音上にフリギア終止します。

 第5楽章はアレグロ、8分の6拍子のジーグで、もちろんホ短調で始まりますから、第4楽章とのつながり具合は、やや変則的な感じです(ロ短調で始まれば、つながりの感じとしては普通)。たいへん規模が大きく、独特な長い(予想を裏切って延びる感じの)フレーズをつむいでいく、非凡な内容の音楽です。
 
 
 
  <J. C. シックハルト>

~~快活で気持ちのいい音楽性~~


★群小作曲家の一人?★

 ヨハン・クリスティアン・シックハルトはバッハやヘンデルとだいたい同年代の作曲家で、スウェーデン国王に仕えたかと思うとハンブルグに足跡を残しており、さらにバッハも一時期仕えたことで知られるケーテンの宮廷に抱えられたりと、北ヨーロッパ各地を転々としながら作曲活動を続け、最後はオランダに腰を落ち着け、そこで1762年に没したといいます。

 このように転々とせざるを得なかったのは、しっかりした定職を持つことができるほどの才能のない、群小作曲家の一人だからだ・・・などと見下すようなことを言われたりもする人です。が、果たしてそう言ってしまっていいものでしょうか。


★アマチュア奏者たちに大人気だったシックハルト★

 シックハルトには、両手でリコーダーを持って、今にも吹こうとしている(あるいは今演奏が終わったばかりといった感じの)様子をとらえた肖像画があります。

 実際、彼はリコーダー・フルート・オーボエなどの演奏を行ったといわれています。だからこそ、シックハルトは、こうした楽器の特性と魅力をよく知っていて、これらの楽器にぴったりと合う音楽をつくる職人(当時、作曲家はすべて職人でした)として、非常に冴えた腕前を持っていたのです。バロック時代には、リコーダーやフルートを演奏して楽しむアマチュア奏者たちがたくさんいました。そして、シックハルトはそうした奏者たちにとても人気のある作曲家だったのです。生前、その作品が30冊以上も出版され、ヨーロッパ中で売られていたというのは驚くべきことです。

 シックハルトが職を求めて転々としなければならなかったのは事実なのでしょう。しかし、その作品は人々から熱烈に支持されていたのです。今のように音楽著作権が保護されていない時代であったために、その作品の人気ぶりに見合うだけの収入を得ることができなかっただけだったのではないでしょうか。

 もっとも、シックハルトは一度は忘れ去られた作曲家です。18世紀後半以後今日に至る時代は、音楽が「公開演奏会」やCD録音によって「お金を払って鑑賞する」という形で楽しむものになっていますから、そうした場面では、19世紀作品や、バロックでもバッハやビバルディーに比べて、ずっと地味で素朴なシックハルトの作品は、ほとんど愛されていないのは事実です。しかし、楽器演奏を楽しむアマチュア奏者たちは、親しみやすくてしかも爽快な、シックハルトの音楽の魅力をよく知っていました。

 つまり、「演奏して楽しもう」と思っている私たちにとって、シックハルトはけっしてつまらない作曲家ではないのです。むしろ、ルイエなどと並んで、とてもたくさんのすてきな曲を作っておいてくれた、大切な作曲家だと言えるのではないでしょうか。
出版社リコーダーJP ジャンルリコーダー曲集
作曲者編・著・監修
グレード刊行日2020/3/1
総ページ数ページサイズ長辺:297mm×短辺:210mm
厚み5mm重さ260g
版型A4編成

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