フレーズ・リズムの反復・断続的な要素で「時間」を表現した江原大介氏の個性が詰まった４重奏作品。<br><br>時は止められず、ひたすら前へと進み続けますが、通り過ぎて行った記憶やその証はどこかに刻まれているものです。時間の芸術であると言われる音楽。人生を経験すればするほど、音に込める想いに変化が生まれてくるように思います。<br>漠然としたイメージではありますが、この作品は過ぎ去った時間や記憶を音楽の素材として作り上げました。作品の中ではリフレインを多用し、さらに断続的な要素が見られます。これらは時の流れを想起させ、音楽の変化と様相を明確に示しています。この曲は、調性のシステムが主軸となっています。一定のリズムと、飛び回るフレーズが時に互いに共鳴しながら、音楽の世界を形成していきます。各打楽器の持つ、固有の残響音も作曲のアイディアとなりました。<br>この作品は寺田由美氏よりお声がけを頂き、CD「ドライヴ５」への収録作品として2023年に作曲しました。打楽器アンサンブルの世界を少しでも広げられることができれば、作曲者として幸いに思います。(江原大介)<br><br><br>〈演奏について〉<br>・1st Perc.<br>　スネアドラムの響き線はノイズが出ないよう始めはOFFにしておき83小節目でONにしましょう。<br><br>・2nd Perc<br>　バスドラムは横に倒した形で演奏しても良いでしょう。<br><br>・Vib<br>　細かい動きで音が濁るようであれば（[A]，[I]など）ペダルの踏み具合を加減して音が伸びすぎないようにすると良いでしょう。<br><br><br>初演：寺田由美パーカッション・アンサンブル「ドライヴ」<br>Perc.1　樋口 さゆり<br>Perc.2　吉田 開<br>Perc.3　土屋 吉弘<br>Perc.4　寺田 由美<br><br>編成<br>Marimba<br><br>Vibraphone<br><br>1st Percussion<br>4 Tom-toms<br>Wood Block<br>Glockenspiel<br>Finger Cymbal<br>Splash Cymbal<br>Snare Drum<br>Sleigh Bell<br><br>2nd Percussion<br>Suspended Cymbal<br>Bongo<br>Triangle<br>Wind Chime<br>Bass Drum