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木下牧子 2台ピアノのための 迷宮のピアノ
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<まえがき>
ほぼ10年前、「迷宮のピアノ」のタイトルでピアノ連弾曲集を出版しました。技術的な難易度は高いものの、私の他の現代音楽作品と比べると、かなりエンタテインメント性が高く、6曲中3曲は明るく躍動的、半数は響きの美しい幻想的な曲想で、演奏してワクワクできると自信を持っていたのですが。
「連弾は子供向け」というイメージが強いためか、書き下ろし出版でコンサート初演を省略したせいか、いまだにあまり普及していないようです。出版と同時に良い演奏CDも出ているのですが。
その連弾CDを最近お聴きくださった、エリザベト音楽大学教授でピアニストの柴田美穂さんから、連弾曲集を2台ピアノに編曲してほしいとの委嘱を頂きました。柴田さんは、ソリストとしての華やかな経歴に加え、ご自身企画の室内楽コンサートシリーズを長く続けておられる実力派ピアニスト。「迷宮のピアノ」は、連弾にしては難易度が高いので演奏の機会が限られるが、2台ピアノ版にすれば華やかさが引き立ち、演奏される機会がずっと増えるはず、とのアドバイスを頂き、2018年夏に編曲。彼女の室内楽シリーズ13において、全6曲が2台ピアノ版初演されました(共演 岡本えりさん)。
話が複雑になりますが、“2台ピアノのための「迷宮のピアノ」” の元曲集である、連弾曲集「迷宮のピアノ」(2010出版)も、オリジナルではありません。これらの元曲は、実は私の初期の合唱作品です。20~30代にかけて書いた合唱作品の中には、声楽曲とは思えないほどの運動性と、頻繁な転調、変拍子、シュールなテキストといった、かなり飛んだ内容のものがあり、当時、一部の大学生や若い人たちから熱狂的な支持を得たりしました。ちょっとした気まぐれで、そういう一曲「愉快なシネカメラ」をピアノ連弾アレンジしたところ、最初からピアノ作品であったかのようにしっくり馴染み、テキストなしでも違和感なく楽しめました。それにヒントを得て、初期のテクニカルな合唱作品をピックアップ、ピアノ連弾曲集にまとめ、書き下ろし出版(カワイ出版刊)したのでした。
今回、2台ピアノのための編曲版初演を聴いて、それぞれが88鍵とペダルをコントロールできることで、強弱や表現の幅が大きく広がり、ドラマチックに色彩的に音楽を表現できることを実感しました。そして嬉しいことに、この度カワイ出版から楽譜も出版となりました。この曲集が、これから多くのピアニストに愛され演奏されることを心から願っています。
木下牧子
出版社 | カワイ出版 | ジャンル | 2台ピアノ曲集 |
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作曲者 | 編・著・監修 | 作曲:木下牧子 | |
グレード | 刊行日 | 2020/2/1 | |
総ページ数 | 72ページ | サイズ | 長辺:304mm×短辺:227mm |
厚み | 4mm | 重さ | 240g |
版型 | 菊倍判 | 編成 |
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