日本初の全文訳・訳註付『赤毛のアン』シリーズ第4巻<br><br>アン22歳、プリンス・エドワード島の港町で学校長となり、風柳荘（ウィンディ・ウィローズWindy Willows）に下宿する。<br>アンに敵対する町の有力者プリングル一族、冷淡な副校長キャサリン、隣家の孤独な少女・小さなエリザベスに心痛めるも、アンの明るさと誠実さ、グリーン・ゲイブルズの麗しさと人々の慈愛が幸せな明日へ導く。<br>アンから、婚約者ギルバートへの恋文で綴る、幸せな3年間の小説。<br><br>●アンの幸せな生き方<br>「あなたは、美しいものとロマンスから出来ている小さな魔法の国に住んでいるみたいだもの。『今日の私は、どんな喜ばしい発見をするのかしら』・・・・・・これがあなたの生きる態度よ、アン」『風柳荘のアン』二年目第5章<br><br>●特徴1）日本初の全文訳<br>モンゴメリが愛読者に捧げた「献辞」に始まる、日本初の全文訳。<br>従来訳で省略・改変された部分をモンゴメリの原書通りに翻訳。<br><br>●特徴2）巻末訳註で380項目について解説<br>ギルバートへの手紙にアンが書いている『北風のうしろの国』（ジョージ・マクドナルド著。C・S・ルイス著「ナルニア国物語」の結末に大きな影響を与えた）と本作との関連について解説。作中に登場するシェイクスピア劇、テニスン、キーツ、ポー、ロングフェローなどの英米詩、聖書の句、移民国家カナダにおける登場人物の民族、人名の意味、19世紀カナダの料理と菓子、手芸、草花、服地、風習、プリンス・エドワード島の地理、カナダの歴史、キリスト教、ケルト族とアーサー王伝説など380項目について75頁にわたる訳註で解説。当時のカナダの暮らしとモンゴメリの知的な仕掛けがわかり、本作の奥深い魅力が楽しめる。<br><br>●特徴3）口絵写真12点と地図2点<br>プリンス・エドワード島サマーサイドで、訳者が撮影した本作ゆかりの写真を12点掲載。アンが下宿する「塔のある家」の一例、サマーサイドの大通りと港、プリングル一族の邸宅を思わせる豪邸など。雪景色のグリーン・ゲイブルズ、モンゴメリが1935年に本作を書き始めたオンタリオ州ノーヴァルの牧師館など。カナダ東海岸と島の地図も収載。<br><br>●特徴4）あとがき・・・・・・小説をより深く、楽しく読むために<br>一、『風柳荘（ウィンディ・ウィローズ）のアン』と『北風のうしろの国』<br>二、アンの下宿の屋号「風柳荘」<br>三、小説の舞台サマーサイドとモンゴメリ<br>四、アンが暮らす塔のある家「アン女王復活様式」<br>五、本作の構成--アンの物語に織りこまれるスピンオフの短編小説<br>六、三つの文体からなる小説<br>七、スコットランド系カナダ人の小説<br>八、風柳荘と風ポプラ荘<br>九、アンシリーズが書かれた順番<br>十、本作執筆前後のモンゴメリと日記<br>十一、アンの誠実さとグリーン・ゲイブルズの魔法で生まれ変わる人々