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SR-158 ディヴィジョン・フルート選集 第2巻

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トレットのグラウンド

★曲集「ディヴィジョン・フルート」について★

 ディヴィジョンとは、多くの回数繰り返し演奏される低音パターンに乗せて、即興的に演奏された一種の変奏曲で、主題としては、よく知られた歌謡や楽曲の旋律が用いられました。イギリスでは17世紀にヴァイオリンの名手たちがよく演奏して人気を博しました。1686年にイギリスの出版業者Playfordが出版した「ディヴィジョン・ヴァイオリン」は、名人のたちの演奏に刺激された音楽ファンの「自分でも演奏してみたい」という需要に応えるものだったのでしょう。

 やがて紳士の間でリコーダーが流行するなか、出版業者Walshは1700年代初頭に「ディヴィジョン・フルート」を発刊しました。これは、「ディヴィジョン・ヴァイオリン」から多くの曲を取り入れ、別の曲も加えて編まれたもので、有名な「グリーンスリーブズ」や「イタリアン・グラウンド」などを含む、リコーダーファンの間では有名な曲集となっています。


★「トレットのグラウンド」について★

 アイルランド人ヴァイオリニスト、Thomas Tolletが作曲したグラウンドで、いろいろな他の曲集にも「アイリッシュ・グラウンド」の名でよく収録されたという、人気の曲でした。親しみやすい民謡調の旋律で、リズムにおもしろい味付けがあり、演奏して楽しい曲になっています。

 Amadeus社版ではThe Division Violinに基づいて変更(復元)されている音がたくさんありますが、この版では、ほぼ Walsh版Division Fluteの通りとしました。
 

★「グラウンド上のグリーンスリーブズ」について★

 ヴォーン・ウィリアムズの「グリーンスリーブズ幻想曲」というハープとフルートのための作品があり、かなりしっとりとした叙情的なものです。そして、「グリーンスリーブズ」といえば、この雰囲気を踏襲したいろいろな編曲で親しまれてきたのですが、わが「グラウンド上のグリーンスリーブズ」は、むしろかなり活発な感じの曲で、リコーダーのすぐれた運動性が遺憾なく発揮された骨太の音楽です。ことに最後のほうはかなりのスピード感でたたみかけるように盛りあがりを形成する演奏をすることも可能ですが、RJP版の伴奏音源・参考音源の演奏では、比較的淡々と、あるいはじっくりと演奏することを想定して、テンポの変化などはほとんど行ないませんでした。

 皆さんがよくお使いの、スイスの出版社「アマデウス」版では、「原曲の指定通りでは低音がメロディーと合わないときがある」として、ときどき低音の1小節目をF音でなくD音とする提案を行なっていますが、本書では一貫して原典通りとしています。

 また、第13変奏の103小節について原典(Walsh版The Division Flute)では臨時記号に混乱がありますので、Playford版The Division Violinにもとづいて校訂しました。一般には、この小節の「シ」の音を「ナチュラルのシ」で演奏している人が多いと思いますし、「増2度」の進行を避けて「旋律的短音階」とするための第6音の臨時記号は、このように(臨時記号がなくてもわかるだろうということで)省かれることがあったようにも思われますが、演奏例では、あえて「オリジナルの記載通りの読み」となる「シ♭」で演奏してみました。
 
 
★「ジョニーよビーバー帽でしゃれろ」について★

 素朴な民謡ふうのテーマを、フォーク・ディヴィジョン(民衆のディヴィジョン)ふうに扱っています。(ディヴィジョン・ヴァオイリンの方では、スコットランド民謡である旨の記載があります。)

 タイトルを仮に「ジョニーよビーバー帽でしゃれろ」としてみましたが、辞書によるとcockは「帽子のふちを上げる」というような意味だそうなので、「ジョニー君よ、ビーバー帽をあみだに(気取って)かぶれ」というぐらいの意味でしょうか。ただ、cockにもbeaverにも性的な意味が隠されているようです。

 低音については、『ディヴィジョン・ヴァイオリン』では旋律に合わせて変化していく通しのパート譜が与えられていますので、弊社版はそちらに拠りました。他方、『ディヴィジョン・フルート』では、3種類の少しずつ異なる低音が印刷されています。「各変奏に対して、このうちのどれか、一番合いそうなのを選んで弾け」というわけなのか、あるいは、「だいたいこんな感じだから、まぁ適当にやって」ということなのかも知れません。3つ印刷されてあるうちの2つ目・3つ目は、『ディヴィジョン・ヴァイオリン』版にある通し低音の、どの変奏のときのラインともすこし違うものです。

 音楽的には、似たような音型が何度も出てきて、いくらか変奏法のバラエティーに乏しい感じもありますが、それが「フォーク・ディヴィジョン」らしいところなのでしょう。
 
 
★「グラウンド上のディヴィジョン」について★

 民謡ふうの親しみやすい旋律にもとづき、多彩な変奏をくりひろげる面白い作品です。

 原典であるWalsh版「ディヴィジョン・フルート」では、単に「Division on a Ground」となっており、メロディの素性についての記載も作曲者名の記載もありません。ただし、ネタ本であるPlayford版「ディヴィジョン・ヴァイオリン」では、エクルズ(Solomon Eccles)という作曲者名が掲げられています。さらに、Amadeus社版では、J. Hawkins’ muisical history (1776年)に載っている作品名に基づき「ベラミラ (Bellamira)」という曲タイトルを付しています。

 また、原典では、Division Violin にあるト短調の原曲からニ短調に移調しながら書き写すさいに、「高いファ」を避けて、ところどころを1オクターブ低くしています。そして、Amadeus版では、この措置を面白くないとみて、ハ短調に移調することによって、Divisoin Violin版のメロディーラインを復元する方針をとられました。どちらも一理ある処置ですが、RJP版ではそのどちらも採用せず、「ニ短調で、基本的にWalsh版にもとづきつつ、高いファは避けずに原曲のメロディーラインに近づける」という方針で校訂しました。
出版社リコーダーJP ジャンルリコーダー曲集
作曲者編・著・監修
グレード刊行日2023/09/01
総ページ数36ページサイズ長辺:297mm×短辺:210mm
厚みmm重さg
版型A4編成

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