《スコアのみの販売です》大判スコア(約28 * 35.5cm,B4サイズ程度)リンカーンシャーはロンドンの北東部、イギリス中部の州で、グレンジャーは1905年から6年にかけてこの地方の民謡を集め記録していました。その中から6曲を選んで組曲にしたのがこの曲で、同地方独特の美しい旋律や独特のリズムをもった節回しを見事に管楽器で表現した曲で、20世紀前半の重要な吹奏楽曲の1つです。どの曲も地元の老人歌手が歌っていたものを採譜し、日本民謡の小節(コブシ)と同じように、こまかい装飾がついた歌が多く、特に第3楽章ではその特徴がよく出ています。それによると、この曲に使われた民謡は1905年から1937年までの間にスケッチした旋律をもとに吹奏楽曲としたもので、タイトルの「リンカーンシャーの花束」は「音楽の野生の花束」であるといっています。そしてこれらの民謡は「歌の女王」ともいうべき素晴らしい曲で、「この組曲を、グレンジャーを魅了した民謡歌手たちに捧げる」と述べています。この歌手たちの歌い方やこの曲の意図について、グレンジャーはまた次のようにもいっています。──どの曲もメロディをよく知った歌手が歌う音楽的ポートレイトのようなつもりで作曲した。ポートレイトとは、歌手の歌に対する習性のように、歌の個性といったものである。彼らの規則的な、また不規則なリズム、さびしげな、または飾りたてたアラビア風な歌い方、レガートやスタッカートの対照、彼らの呼吸や音のデリカシーに対する配慮、そういったものをウインド・バンドで表現したいと考えた。(グレンジャーは「ウインド・バンド」という言葉を1905年頃から使っています)──(秋山紀夫)<br><br>2020年にR.マーク・ロジャースによよって改定された版です。旧版で見つかった誤りに対処し、グレインジャーの採譜方法と楽器法の概念により忠実に従っています。<br><br>収録曲リスト<br>第1楽章 リスボン Dublin Bay/第2楽章 ホークストウの農場 Harkstow Grange/第3楽章 ラフォード公園の密猟者 Rufford Park Poachers/第4楽章 元気な若い水夫 The Brisk Young Sailor/第5楽章 メルボルン卿 Lord Melbourne/第6楽章 行方不明の夫人が見つかった The Lost Lady Found<br><br>出版社・発売元<br>LudwigMasters<br><br>